日本全体で女性の活躍を後押しするため、全国の女性首長と経営者による会議「女性首長によるびじょんネットワーク(通称:びじょネット)」を、令和3年10月23日(土)にオンラインで開催しました。
3回目となる今回は、新たに駐日女性大使も交えながら、全国各地から登壇者の皆様、参加者の方々にご参加いただきました。
プログラムレポート
オープニング・参加首長及び
駐日女性大使のご紹介
本イベントにオープニングからご参加いただいた首長、駐日大使をご紹介しました。
開会のご挨拶
開会に先立ち、本イベントの共同座長である小池 百合子東京都知事並びに吉村 美栄子山形県知事より、開会の挨拶が行われました。小池東京都知事からは、本会議に全国の女性首長や経営者、そして今回は新たに駐日女性大使にも参加をいただくことで「これまで以上に多様な視点を取り入れ、日本の女性の活躍をより一層発展させていきたい」と本会議への期待が語られました。
また、VTRでの出演となった吉村山形県知事は、新型コロナウイルス感染症の流行によって、ジェンダーに起因する課題が一層顕在化する中では、様々な困難課題を抱える女性への支援強化をはじめ、持続可能な社会の実現に向けた、男女共同参画の取り組みの強化等が重要として、「このネットワークを契機に、女性も輝く時代を共に切り拓きたい」と参加者へ呼びかけ、会がスタートしました。
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小池 百合子氏東京都知事
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吉村 美栄子氏山形県知事
講演
「国際社会における女性活躍」をテーマに、3名の駐日女性大使に講演をいただきました。はじめにレソト王国大使が「国際社会での女性のエンパワーメントとは、マイノリティと社会的弱者に対する包括性、多様性、働きかけを推進しなければならない」と語られました。続いてメキシコ合衆国大使が、メキシコのジェンダー平等の現状を、形式的平等と実質的平等それぞれの側面から分析されたほか、若い世代が輝ける機会を提供することの重要性について力説されました。最後に、ノルウェー王国大使は「ジェンダー平等の実現は、すべての人々と社会全体の責任」といい、「ロールモデルは重要だが、ジェンダー平等を定着させるには、英雄的な資質を求めないことが大切」と訴えられました。
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パレサ・モセツェ氏 駐日レソト王国特命全権大使
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メルバ・プリーア氏 駐日メキシコ合衆国特命全権大使
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インガ・ニーハマル氏 駐日ノルウェー王国特命全権大使
パネルディスカッション
Forbes JAPAN Web編集長 谷本 有香氏の進行により、徳島商工会議所会頭 寺内 カツコ氏、アドビ株式会社マーケティング担当バイスプレジデント 秋田 夏実氏、リーナ・アンナーブ 駐日ヨルダン・ハシェミット王国特命全権大使、アンナ・ポラック・ペトリッチ 駐日スロベニア共和国特命全権大使の計4名により「女性リーダーの醍醐味」をテーマにパネルディスカッションが行われました。

活発な議論が交わされる中で、アドビ株式会社のうちアジア地域で唯一、女性のバイスプレジデントとして活躍される秋田氏は、傾聴と共感の大切さについて「あらゆる仲間の声に耳を傾けて、その中から学び取るべきもの、よりよい選択を選び取っていくことがこれからの組織の中でリーダーが取るべきスタンス」と語られました。株式会社寺内製作所代表取締役でもある寺内氏からは「男性、女性にかかわらずお互いの立場や状況を理解して協調しながら、仕事また家庭の両立に取り組むことが、女性リーダーが生み出される土壌として必要」というご発言をいただきました。
また、アンナーブ大使は「優れたリーダーは人々に奉仕し、人間をおもいやり、意見を表明できる人」といい、リーダーがロールモデルとしての自覚を持ち、模範を示すことの重要性を述べられました。ペトリッチ大使は「世界で活躍する女性リーダーは非常に少なく、リーダーの地位を得てからの期間も非常に短い」という点に触れられ、「今後女性リーダーが増えれば、徐々に評価が変化し、女性にレッテルを貼ることなく、単純にリーダーとして女性を受け止めるようになる」というご意見をいただきました。
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寺内 カツコ氏徳島商工会議所会頭/株式会社寺内製作所 代表取締役
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秋田 夏実氏アドビ株式会社マーケティング担当バイスプレジデント
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リーナ・アンナーブ氏駐日ヨルダン・ハシェミット王国特命全権大使
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アンナ・ポラック・ペトリッチ氏駐日スロベニア共和国特命全権大使
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谷本 有香氏Forbes JAPAN Web編集長
女性首長と駐日女性大使による分科会
テーマ①意思決定プロセスの女性比率を高める必要性
本テーマでは、パネルディスカッションに続き谷本有香氏の進行で、安藤真理子 茨城県土浦市長、大川秀子 栃木県栃木市長、小林洋子 東京都小平市長、染谷絹代 静岡県島田市長、山﨑結子 青森県外ヶ浜町長、ファアラヴァアウ・ペリナ・ジャックリーン・シラ・ツアラウレレイ 駐日サモア独立国特命全権大使、アレクサンドラ・コヴァチュ 駐日セルビア共和国特命全権大使の7名により、自治体における女性管理職比率の実情や、女性をマネージメント層に登用した実例及びその後の変化、女性活躍推進に向けて今後進めていくべき取組等について、海外の事例も交えて議論が行われました。

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安藤 真理子氏茨城県土浦市長
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大川 秀子氏栃木県栃木市長
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小林 洋子氏東京都小平市長
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染谷 絹代氏静岡県島田市長
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山﨑 結子氏青森県外ヶ浜町長
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ファアラヴァアウ・ペリナ・ジャックリーン・シラ・ツアラウレレイ氏駐日サモア独立国特命全権大使
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アレクサンドラ・コヴァチュ氏駐日セルビア共和国特命全権大使
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谷本 有香氏Forbes JAPAN Web編集長
テーマ②多様性を高めて、革新につなげる
本テーマでは、株式会社コラボラボ 代表取締役 お茶の水女子大学客員准教授 横田響子氏の進行で、茂木英子 群馬県安中市長、金子ゆかり 長野県諏訪市長、内藤佐和子 徳島県徳島市長、籔内美和子 和歌山県美浜町長、ロクサンヌ・ドゥ・ビルデルリング 駐日ベルギー王国特命全権大使、タブ・イリナ 駐日ケニア共和国特命全権大使の6名により、地域が抱えるダイバーシティに関する課題や、だれもが暮らしやすい地域づくりに向けた取組事例及びその効果、地域の多様性推進に向けた今後の展開等について、海外の事例も交えて議論が行われました。

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茂木 英子氏群馬県安中市長
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金子 ゆかり氏長野県諏訪市長
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内藤 佐和子氏徳島県徳島市長
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籔内 美和子氏和歌山県美浜町長
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ロクサンヌ・ドゥ・ビルデルリング氏駐日ベルギー王国特命全権大使
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タブ・イリナ氏駐日ケニア共和国特命全権大使
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横田 響子氏株式会社コラボラボ 代表取締役/お茶の水女子大学 客員准教授
テーマ③次世代によるプロジェクト推進
本テーマでは、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授 治部れんげ氏の進行で、芝田裕美 千葉県鎌ケ谷市長、石井宏子 千葉県君津市長、山﨑晴恵 兵庫県宝塚市長、佐藤ひさ子 北海道留寿都村長、田村みさ子 東京都日の出町長、池田牧子 高知県いの町長、ショーナ-ケイ リチャーズ 駐日ジャマイカ特命全権大使の7名により、若手女性や若手人材育成における課題や、育成に向けた各自治体の取組事例、また、それらの取組を推進していく中で見えてきた効果等について、海外の事例も交えて議論が行われました。

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芝田 裕美氏千葉県鎌ケ谷市長
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石井 宏子氏千葉県君津市長
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山﨑 晴恵氏兵庫県宝塚市長
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佐藤 ひさ子氏北海道留寿都村長
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田村 みさ子氏東京都日の出町長
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池田 牧子氏高知県いの町長
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ショーナ-ケイ リチャーズ氏駐日ジャマイカ特命全権大使
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治部 れんげ氏東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授
テーマ④持続可能な社会を目指して
本テーマでは、株式会社Waris代表取締役・共同創業者 田中美和氏の進行で、佐藤弥斗 神奈川県座間市長、石山志保 福井県大野市長、松村淳子 京都府宇治市長、瀧澤智子 大阪府池田市長、高井美穂 徳島県三好市長、マリエタ・アラバジエヴァ 駐日ブルガリア共和国特命全権大使の6名により、持続可能な社会・地域づくりにおける課題や、地域の持続可能性を高めるための自治体における取組事例、女性の社会進出における課題等について、海外の事例も交えて議論が行われました。

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佐藤 弥斗氏神奈川県座間市長
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石山 志保氏福井県大野市長
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松村 淳子氏京都府宇治市長
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瀧澤 智子氏大阪府池田市長
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高井 美穂氏徳島県三好市長
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マリエタ・アラバジエヴァ氏駐日ブルガリア共和国特命全権大使
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田中 美和氏株式会社Waris代表取締役・共同創業者
駐日女性大使からの応援メッセージ
ファアラヴァアウ・ペリナ・ジャックリーン・シラ・ツアラウレレイ駐日サモア独立国特命全権大使より、日本の女性活躍推進に向けたメッセージをいただきました。大使は、ジェンダーの平等と向上に対する責任は、一つの組織ではなく政府や地域社会のすべてのセクターが担うものとして、ダイバーシティやインクルージョンを推進する働き方改革や人材育成等を通じて、女性の可能性を最大限に引き出し、発展させるために、常に意識して努力していくことを呼びかけました。また、世界経済フォーラムが発表したジェンダー・ギャップ指数について、全世界でギャップが解消されるまでには100年以上かかるという試算に触れて、「まだまだやるべきことがあります。私たちは、変化を求めて主張し続ける必要があります」と締めくくられました。
ファアラヴァアウ・ペリナ・ジャックリーン・シラ・ツアラウレレイ氏駐日サモア独立国特命全権大使
ファアラヴァアウ・ペリナ・ジャックリーン・シラ・ツアラウレレイ駐日サモア独立国特命全権大使より、日本の女性活躍推進に向けたメッセージをいただきました。大使は、ジェンダーの平等と向上に対する責任は、一つの組織ではなく政府や地域社会のすべてのセクターが担うものとして、ダイバーシティやインクルージョンを推進する働き方改革や人材育成等を通じて、女性の可能性を最大限に引き出し、発展させるために、常に意識して努力していくことを呼びかけました。また、世界経済フォーラムが発表したジェンダー・ギャップ指数について、全世界でギャップが解消されるまでには100年以上かかるという試算に触れて、「まだまだやるべきことがあります。私たちは、変化を求めて主張し続ける必要があります」と締めくくられました。

ファアラヴァアウ・ペリナ・ジャックリーン・シラ・ツアラウレレイ氏駐日サモア独立国特命全権大使
閉会のご挨拶
小池百合子東京都知事より閉会の挨拶が行われました。都知事は、会議の振り返りと共に、新型コロナウイルス感染症が社会にもたらした影響にも触れ、「こうしたパラダイムシフトの時こそ、女性が持つ感性や発想力が、持続可能な新しい社会をつくる原動力になる」として、「良い事例を共有し、またお互いの経験で補完しあいながら、人が輝くより良い社会につなげていくことが私たちのミッション」との思いを語るとともに、参加者へ「共に協力し合ってまいりましょう」と呼びかけて、会議終了となりました。
小池 百合子氏東京都知事
小池百合子東京都知事より閉会の挨拶が行われました。都知事は、会議の振り返りと共に、新型コロナウイルス感染症が社会にもたらした影響にも触れ、「こうしたパラダイムシフトの時こそ、女性が持つ感性や発想力が、持続可能な新しい社会をつくる原動力になる」として、「良い事例を共有し、またお互いの経験で補完しあいながら、人が輝くより良い社会につなげていくことが私たちのミッション」との思いを語るとともに、参加者へ「共に協力し合ってまいりましょう」と呼びかけて、会議終了となりました。

小池 百合子氏東京都知事